退職給付金のデメリットは、2種類あります。
『受け取る給付の制約と、申請サポートの負担』です。
失業保険の初回の振込は、給付制限のない人でも求職の申込みから約1か月後です。
なお、「退職給付金」は公的制度の名前ではありません。国民生活センターの説明では、失業等給付の呼び名の1つです。
詳しくは「退職給付金」という言葉と広告の確かめ方をご覧ください。
受け取る前:入金まで約1か月。
受け取っている間:原則4週間ごとの認定日。65歳前の年金と扶養に響く。
受け取った後:次の受給は支給後から数える。
申請サポート:支給は審査で決まる。料金の分だけ手元が減る。
編集部「もらわない方がいい」と聞いたとき。広告の申請サポートを見て、LINE登録の前に迷ったとき。
まず、自分に当たるデメリットだけを確かめましょう。
一律に「もらわない方がいい」とは言えません。失業保険は、失業中の生活と早い再就職を支える給付です。
編集部が公的機関の案内で確かめ、根拠のページにリンクしています。
この記事で分かること
- 時期別のデメリットの一覧
- 失業保険と傷病手当金で当たる人と確かめ先
- 申請サポートの手取りと責任
- メリットとの比べ方
退職給付金のデメリットは給付とサポートの2種類
デメリットは、失業保険などを受け取ることと申請サポートを使うことの2種類で、『受け取る前・間・後で効き方が違います』。
失業保険(基本手当)について、ハローワークと厚生労働省は次のように案内しています。
失業中の生活を心配しないで、新しい仕事を探し、1日も早く再就職していただくために支給されるものです。
ハローワーク「基本手当について」
退職すれば必ず受けられる保険ではなく、一定の受給要件を満たした場合にのみ受給することができます。
厚生労働省「Q&A」
デメリットは、当たる人と確かめ先で読むものです。
会社の退職金(退職給付制度)を調べていた人は、会社の退職金の受け取り方をご覧ください。
| いつ効くかとデメリット | 当たる人と確かめ先 |
|---|---|
| 受け取る前 失業の状態でないと受け取れない | 病気・家事専念・休養中などですぐ働けない人 確かめ先:住所を管轄するハローワーク |
| 受け取る前 初回の振込は求職の申込みから約1か月後 | 失業保険を受けるすべての人 確かめ先:住所を管轄するハローワーク |
| 受け取る前 自己都合の退職は給付制限と給付日数に差 | 正当な理由のない自己都合で辞めた人 確かめ先:住所を管轄するハローワーク |
| 受け取る前(退職日) 退職日に出勤すると退職後の傷病手当金が支払われない | 療養のため退職する人 確かめ先:加入していた健康保険 |
| 受け取る前(契約時) 申請サポートは料金の分だけ手元が減り、給付を決めるのは審査 | 申請サポートを考えている人 確かめ先:住所を管轄するハローワーク(無料の相談) |
| 受け取っている間 額は賃金日額のおよそ50〜80%で、原則4週間ごとに認定日 | 失業保険を受けるすべての人 確かめ先:住所を管轄するハローワーク |
| 受け取っている間 65歳前は老齢厚生年金が止まる | 65歳前に老齢厚生年金を受ける人 確かめ先:年金事務所 |
| 受け取っている間 家族の扶養に入れない場合がある | 家族の扶養に入る予定の人 確かめ先:配偶者等の健康保険組合か勤務先 |
| 受け取った後 次の受給資格と給付日数の期間は支給後から数える | 1年以内に再就職しそうな人 確かめ先:住所を管轄するハローワーク |
| 受け取った後 事実と違う申請の責任は申請した本人が負う | 申請サポートを使う人 確かめ先:住所を管轄するハローワーク |
参照日:2026年9月29日。傷病手当金は協会けんぽの案内です。



表の中から、自分の年齢・退職理由・体調・次の仕事の見込みに当たる行だけを確かめれば十分です。
受け取る給付のデメリットは前と間と後に出る
受け取る給付の1つは、失業保険(雇用保険の基本手当)です。
もう1つは、病気やけがで働けないときの健康保険の傷病手当金です。
失業保険は、効く時期で3つに分かれます。
- 受け取る前:入金されるまでのデメリット
- 受け取っている間:受給している間のデメリット
- 受け取ることで響くもの:年金・扶養・次の失業への影響
- 傷病手当金:退職後も受けるときのデメリット
ただ、デメリットの多くは『当たる人が限られます』。


申請サポートのデメリットは料金と責任に出る
申請サポートは民間の有料サービスで、使うデメリットは次の4点です。
- 料金の分だけ、手元に残る額が減る
- 給付を決めるのは、行政機関の審査
- 申請書の作成と提出の代行は、社労士などに限られる
- 事実と違う申請の責任は、申請した本人にある
失業保険が入金されるまでの退職給付金のデメリット
失業保険は失業の状態が条件で、初回の振込は求職の申込みから『約1か月後』です。自己都合なら給付制限も加わります。
| 項目 | 数字 | 根拠 |
|---|---|---|
| 待期 | 受給資格決定日から通算7日間は支給されない(離職の理由等にかかわらず一律) | ハローワーク「よくあるご質問」 |
| 給付制限(正当な理由のない自己都合) | 退職日が令和7年4月1日以降は原則1か月(5年間に2回以上・重責解雇は3か月) | 厚生労働省「Q&A」 |
| 初回の振込 | 給付制限のない人でも求職の申込みから約1か月後 | ハローワーク「よくあるご質問」 |
参照日:2026年9月29日。「5年間に2回以上」は、正当な理由なく自己都合退職し受給資格決定を受けた回数です。
失業の状態でないと失業保険は受け取れない
ハローワークは、「失業」を次のように説明しています。
「失業」とは、離職した方が、「就職しようとする意思といつでも就職できる能力があるにもかかわらず職業に就けず、積極的に求職活動を行っている状態にある」ことをいいます。
ハローワーク「雇用保険の具体的な手続き」
同じページは、次の状態のときは失業給付を受けられないとしています。
- 病気やけがのために、すぐには就職できないとき
- 妊娠・出産・育児のため、すぐには就職できないとき
- 定年などで退職して、しばらく休養しようと思っているとき
- 結婚などにより家事に専念し、すぐに就職することができないとき
厚生労働省のQ&Aでは、加入期間は原則、離職前2年間に被保険者期間が12か月以上です。
倒産・解雇等や雇止め等で離職した場合は、離職前1年間に通算6か月以上です。
当たるかどうかは、住所を管轄するハローワークで確かめられます。
初回の振込は求職の申込みから約1か月後


ハローワークは、初回の振込の時期をこう案内しています。
なお、実際に雇用保険の基本手当として初めて現金が振り込まれるのは、給付制限のない方でも、公共職業安定所で求職の申込みをしてから数えて約1か月後(初回認定日の約1週間後)になります。
ハローワーク「よくあるご質問(雇用保険について)」
給付制限を受ける人は、「給付制限期間が経過した後の認定日から支給」です。初回の振込は、さらに後になります。


自己都合の退職は給付制限と給付日数に差が出る
退職日が令和7年4月1日以降なら、給付制限は『原則1か月』です。
もう1つの差は、所定給付日数です。
差がつくのは、倒産・解雇等で離職した特定受給資格者などです。
厚生労働省は、「所定給付日数が手厚くなる場合があります」としています。
| 被保険者であった期間 | 1及び3以外の離職者 (全年齢) | 特定受給資格者等 |
|---|---|---|
| 1年以上5年未満 | 90日 | 30歳未満:90日 45歳以上60歳未満:180日 |
| 5年以上10年未満 | 90日 | 30歳未満:120日 45歳以上60歳未満:240日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 | 30歳未満:180日 45歳以上60歳未満:270日 |
| 20年以上 | 150日 | 30歳未満:記載なし 45歳以上60歳未満:330日 |
ほかの年齢の日数は、ハローワークの所定給付日数の表で確かめられます。参照日:2026年9月29日。
自己都合の不利を小さくする公的な手順
| 場面 | 公的な手順 | 条件 |
|---|---|---|
| 離職理由が実際と違う | 受給の手続時に、住居所を管轄するハローワークの担当者へ伝える | 離職理由を証明する書類があれば持参 |
| 離職理由の判定に不服がある | 都道府県労働局の雇用保険審査官へ審査請求 | 処分のあったことを知った日の翌日から3か月以内 |
| 令和7年4月1日以降に受講を開始した対象の教育訓練等を受けた | 給付制限が解除される | 離職日前1年以内か離職日以後に受講(途中退校は該当しない) |
自分の区分と、教育訓練等の対象・手続きは、住所を管轄するハローワークで確かめましょう。



受け取るまでの約1か月と、自己都合なら給付制限の分を、退職前に生活費の見通しに入れておきましょう。
失業保険を受給している間の退職給付金のデメリット
受給中の額は『賃金日額のおよそ50〜80%』です。原則4週間ごとの認定日と求職活動、働いた日の申告も続きます。
| 項目 | 数字 | 根拠 |
|---|---|---|
| 基本手当日額 | 賃金日額のおよそ50〜80%(60〜64歳は45〜80%) | ハローワーク「基本手当について」 |
| 失業の認定 | 原則4週間に1回、認定日に来所 | 厚生労働省「Q&A」 |
| 求職活動 | 原則、前回の認定日から今回の前日までに2回以上 | 厚生労働省「Q&A」 |
| 受給期間 | 原則、離職日の翌日から1年。過ぎると残りは支給されない | 厚生労働省「Q&A」 |
参照日:2026年9月29日。
受け取る額は賃金日額のおよそ50〜80%
ハローワークの案内では、基本手当日額は「賃金日額」をもとに決まります。
賃金日額は、離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金の合計を、180で割った額です。賞与等は除きます。
基本手当日額は、その「およそ50~80%(60歳~64歳については45~80%)」です。
賃金の低い人ほど、高い率になります。
厚生労働省のQ&Aに例があります。給与の総支給額が平均して月額20万円程度なら、支給額は月額13.9万円程度。離職時の年齢が60歳以上65歳未満の人は、月額13.5万円程度です。
総支給額は保険料等が控除される前の額です。ほかの額の目安は1か月あたりの額の目安表にあります。
正確な金額は、住居所を管轄するハローワークに提出する離職票に基づいて計算されます。
原則4週間ごとの認定日と2回以上の求職活動


受給中は、原則として4週間に1回の失業認定日があります。
その日に住居所を管轄するハローワークへ来所し、失業の認定を受けます。
来所できなかった場合、その認定日までの期間と、来所しなかった認定日当日の分は、失業の認定(基本手当の支給)を受けられません。
求職活動も、原則として前回の認定日から今回の認定日の前日までに2回以上要ります。
最初の認定日までの回数は、給付制限の有無と期間で変わります。
| 区分 | 最初の認定日までの求職活動 |
|---|---|
| 給付制限が3か月の人 | 待期満了後から、給付制限経過後の最初の認定日の前日までに3回以上 |
| 給付制限が2か月の人 | 同じ期間に2回以上 |
| それ以外の人 | 待期満了後から、最初の認定日の前日までに1回以上 |
求人情報の閲覧や、職業紹介機関への登録だけでは、求職活動実績になりません。
定年後にしばらく休養したい人は、離職日の翌日から2か月以内なら受給期間の延長を申請できます。
本来の受給期間1年間に、求職申込みをしない期間(最大1年間)を加えられます。
申請の窓口は、受け取るお金ごとの申請先にまとめています。
働いた日は収入がなくても申告が要る
アルバイトやパートなどで働いた日は、収入の有無にかかわらず、失業認定申告書で申告します。
厚生労働省は、理由を次のように説明しています。
仕事をした日は雇用保険(基本手当)の支給対象とならなかったり、収入額により減額される場合があります
厚生労働省「Q&A」(一部)
働き方ごとの扱いは、東京労働局・東京ハローワークの案内(原則)で次のとおりです。
| 働き方 | 扱い |
|---|---|
| 1日の労働時間が4時間未満 | 「内職・手伝い」。収入があった直後の認定日に収入額を申告 |
| 1日の労働時間が4時間以上 | 「就労・就職」。基本手当の支給はない |
| 週20時間以上の継続的な仕事 | パート・アルバイト等の名称でも「就職」 |
参照日:2026年9月29日。
これは東京の案内です。自分の場合は、住所を管轄するハローワークで確かめましょう。
申告をせずに受給すると不正受給となり、以降の支給も停止します。
さらに厚生労働省は、「不正に受給した額の3倍の額の納付を命じられる場合があります」と案内しています。
給付制限の間に働いた日も、収入の有無を問わず申告が要ります。
初回認定日と、給付制限があけた最初の認定日に出す申告書に記入します。



受給中の額と4週間ごとの予定を、先に家計と予定に入れておきましょう。
失業保険を受け取ると年金と扶養と次の失業に響く
65歳前は受給中に老齢厚生年金が止まり、扶養に入れない場合もあります。次の受給の期間は支給後から数えます。
響く先は、『年金・家族の健康保険・次の受給の3つ』です。
65歳前の老齢厚生年金は受給中に止まる


厚生労働省のQ&Aによると、基本手当の手続きをすると、65歳までは年金と併給調整されます。
雇用保険(基本手当)の支給を受ける間は、老齢厚生年金・退職共済年金の支給が停止となります。
これは、雇用保険(基本手当)の支給内容が変更されるのではなく、あくまでも年金の支給が停止されるものです。
厚生労働省「Q&A」
当たるのは、65歳になるまでに特別支給の老齢厚生年金を受ける人です。
詳しい確かめ先は、日本年金機構の各年金事務所です。
受給中は家族の扶養に入れない場合がある


配偶者などの扶養家族でも、受給要件を満たせば基本手当は受けられます。
ただし「雇用保険(基本手当)を受けていると扶養家族になれない場合があります」と案内されています。
日本年金機構の案内では、被扶養者の収入要件は年間収入130万円未満などです。
60歳以上または障害者の場合は、180万円未満です。
被扶養者の収入には、雇用保険の失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれます
日本年金機構(2026年7月13日更新のページ)
待期の間は、収入要件を満たせば被扶養者になれるとされています。
ただ、基本手当(日額3,612円以上)の支給が始まったら、扶養削除の届出が必要です。
確かめ先は、配偶者等が加入している健康保険組合か勤務先の福利厚生担当です。
扶養に入れないと保険料は自分で納める
扶養に入れない間は、任意継続か国民健康保険の保険料を自分で納めます。
| 退職後の保険と確かめ先 | 保険料・加入の条件 | 軽減や手続きの要点 |
|---|---|---|
| 家族の健康保険(被扶養者) 確かめ先:配偶者等の健康保険組合・勤務先 | 基本手当を受けていると扶養家族になれない場合がある | 待期の間は収入要件を満たせば認定できる |
| 任意継続(協会けんぽ) 確かめ先:協会けんぽ | 退職前に控除されていた保険料の2倍(上限あり) | 退職日の翌日から20日以内に手続き |
| 国民健康保険 確かめ先:市区町村の国民健康保険担当 | 世帯の人数や前年の所得などで決まり、市区町村で異なる | 特定受給資格者・特定理由離職者は軽減措置 |
| 国民年金(第1号) 確かめ先:日本年金機構(年金事務所) | 次の会社に入らない間は手続きをして納める | 失業等による特例免除(前年所得にかかわらず・申請して承認) |
参照日:2026年9月29日。健康保険組合の任意継続は、各組合の案内で確かめます。
国保の軽減の対象かは、雇用保険受給資格者証の「離職理由」の欄で決まります。
詳しくは、市町村の国民健康保険担当で確かめられます。
健康保険と年金の切り替えを退職前に見通すなら、退職準備チェックリストが手がかりです。
次の受給資格と給付日数は支給後の期間で数える


厚生労働省のQ&Aは、次の受給資格の期間をこう注記しています。
過去に基本手当(再就職手当等を含む。)または特例一時金の支給を受けたことがある場合には、その支給を受けた後の被保険者であった期間のみが算定されることになります。
厚生労働省「Q&A」
給付日数を決める期間(算定基礎期間)も同じです。厚生労働省・ハローワークのリーフレットはこう説明しています。
受給前の被保険者であった期間は含まず、受給後の被保険者であった期間が算定基礎期間となります。
厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークのリーフレット
受け取らずに1年以内に次の就職先で雇用保険に入れば、前の会社の期間も通算されます。
再就職手当なども、受け取っていないことが条件です。



年金・扶養・すぐの再就職に当たる人は、受け取る前に確かめ先へ一度問い合わせましょう。
傷病手当金を退職後も受けるときのデメリット


退職後も受けるには継続1年以上の加入などが要り、退職日に出勤したり一旦働ける状態になったりすると支給されません。
傷病手当金は「病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度」です。
協会けんぽの案内では、支給期間は支給を開始した日から通算して1年6か月です。
以下は協会けんぽの案内です。健康保険組合に加入していた人は、組合の案内で確かめます。
退職前に確かめる7つのこと
- 退職日まで継続1年以上の加入がある(任意継続などの期間は除く)
- 退職日に傷病手当金を受けているか、受ける条件を満たしている
- 退職日に出勤すると、退職日の翌日以降は支払われない
- 一旦働ける状態になると、再び支給されない
- 任意継続の期間中に発生した病気・ケガは支給されない
- 年金をさかのぼって受けると、返金になる場合がある
- 働けない間は失業保険を受けられない。受給期間の延長を申請でき、加えられる期間は最大3年間



在職中の条件と退職日の扱いで、退職後に受けられるかが変わります。加入していた健康保険の案内で先に確かめましょう。
退職後も受けるには継続1年以上の加入が要る


退職後も残りの期間を受けるには、退職日までの条件が2つあります。
1つは、退職日まで継続して1年以上の被保険者期間があることです。任意継続・共済組合・国民健康保険の期間は含みません。
もう1つは、資格喪失時に傷病手当金を受けているか、受ける条件を満たしていることです。
協会けんぽのよくあるご質問は、退職日の出勤について次のように記載しています。
なお、退職日に出勤したときは、継続給付を受ける条件を満たさないために資格喪失後(退職日の翌日)以降の傷病手当金はお支払いできません。
協会けんぽ「よくあるご質問」(傷病手当金)Q6
当たるのは、『療養のため退職を考えている人』です。
一旦働ける状態になると再び支給されない


協会けんぽは、資格喪失後の継続給付について次のように案内しています。
ただし、一旦仕事に就くことできる状態になった場合、その後更に仕事に就くことができない状態になっても、傷病手当金は支給されません。
協会けんぽ「傷病手当金」(資格喪失後の継続給付について)
これは在職中ではなく、退職後に受け続けるときの扱いです。
働けない間は失業保険を受けられない
厚生労働省のQ&Aによると、すぐに職業に就けない人は基本手当を受けられません。
病気やけが・妊娠・出産・育児などが当たります。
離職日の翌日から1年以内に30日以上続けて働けないときは、受給期間の延長を申請できます。
本来の受給期間1年に働けない日数を加えられ、加えられる期間は『最大3年間』です。
東京労働局・東京ハローワークのQ&Aには、延長できる理由として次の記載があります。
病気やけがで働くことができない(健康保険の傷病手当、労災保険の休業補償を受給中の場合を含む)
東京労働局・東京ハローワーク「求職者給付に関するQ&A」Q6(東京の案内)
ハローワークの案内によると、雇用保険にも名前の似た「傷病手当」があります。
こちらは、同じ事由で健康保険の傷病手当金を受けられるときは支給されません。
年金をさかのぼって受けると返金になる場合がある
年金との調整は、協会けんぽ愛媛支部の広報(令和07年03月25日)にあります。
傷病手当金と老齢年金・障害厚生年金等は、同時には受けられない場合があります。
傷病手当金との調整対象となる老齢年金・障害厚生年金等をさかのぼって受給された場合は、過払いとなった傷病手当金をご返金いただきます。
協会けんぽ愛媛支部「傷病手当金をご返金いただく場合があります(年金との調整について)」
年金を受けている人や受ける予定の人は、加入していた健康保険と年金事務所で確かめましょう。
退職給付金の申請サポートを使うデメリット
申請サポートは料金の分だけ手元に残る額が減り、給付を決めるのは審査で、申請の責任も本人に残ります。
国民生活センターには、失業保険の申請サポートに関する相談が寄せられています。
| 項目 | ハローワーク | 民間の申請サポート |
|---|---|---|
| 相談の費用 | 無料で相談や案内を受けられる | 契約すると料金がかかる |
| 申請書の作成と提出 | 通常は自分で手続きできる | 報酬を得て代行できるのは社労士など |
| 給付を決めるのは | 行政機関の審査 | 同じく行政機関の審査 |
| 事実と違う申請の責任 | 申請者本人 | 申請者本人 |
出典:国民生活センター(2025年12月3日公表・報告書 p.3〜p.4)。参照日:2026年9月29日
料金の分だけ手元に残るお金が減る


民間の申請サポートは、契約すると料金がかかり、その分だけ手元に残る額が減ります。
同センターは、契約前に慎重に確かめるよう呼びかけています。
相談先の料金の目安は、「民間に相談するなら料金と別費用を先に確かめる」で示します。
給付を決めるのはサポートでなく行政機関の審査
国民生活センターによると、失業保険は行政機関の審査を経て、個別の条件に応じて決まります。
サポートを受ければ、『誰でも一律にもらえるわけではありません』。
契約については、報告書に次の一文があります。
また、一度契約すると、期待したとおりの給付を受けられなくても契約金額を支払うよう請求されることがあります。
国民生活センター 報告書(2025年12月3日公表)p.4
すでに契約した人は、解約と違約金の相談の事例で相談先を確かめられます。
申請書の作成と提出の代行は社労士などに限られる
申請書等の作成や提出を報酬を得て代行できるのは、社会保険労務士(社労士)や社労士法人などです。
国民生活センターは「資格のない事業者が行えるのは、あくまで助言及び指導に限られます。」としています。
有料のサービスを使わずに手続きできるかは、当サイトの「よくある質問」でも答えています。
料金を払っても申請の責任は本人に残る
国民生活センターの説明では、給付を増やすために事実ではない内容で申請すると不正受給となります。
責任を問われるのは『申請者本人』です。事業者に勧められても応じないよう呼びかけています。
東京労働局のページに載るリーフレットも、処分を次のように示しています。
不正受給をすると、支給停止、返還命令、納付命令などの処分が課せられます。
悪質な場合、詐欺罪等で処罰されることがあります。
厚生労働省 都道府県労働局・ハローワークのリーフレット
申請サポートを使うなら、契約の前に次の項目を聞いておきましょう。
- 料金の額と、料金がかかる時期(相談だけで料金がかかるか)
- サービス内容が、支払う金額に見合っているか
- 料金とは別にかかる費用(申請代行を社労士事務所に頼む費用など)
- 期待した給付を受けられなかったときの支払いと返金の条件
- 解約の条件と、解約するときの違約金
- 申請書の作成と提出を誰が行うか(報酬を得て代行できるのは社労士など)



契約の前に、無料のハローワークで聞けることと、有料で頼む範囲を分けておきましょう。
退職給付金のメリットとデメリットを比べて決めるなら
非課税や再就職手当などのメリットと並べ、『自分に当たるデメリットを公的な窓口で確かめてから決めます』。
メリットと対になるデメリットを表で比べる
| 受け取るメリット | 対になるデメリット | 確かめ先 |
|---|---|---|
| 失業中の生活を支えるための給付 | 「受け取る額は賃金日額のおよそ50〜80%」 | ハローワーク |
| 基本手当の給付は非課税で確定申告は不要 | 非課税の案内は基本手当の給付が対象 | ハローワーク |
| 早く再就職すると再就職手当を受けられる可能性がある | 「次の受給資格と給付日数は支給後の期間で数える」 | ハローワーク |
| 対象の教育訓練等で給付制限が解除される場合がある | 「自己都合の退職は給付制限と給付日数に差が出る」 | ハローワーク |
| 病気や定年後の休養なら受給期間の延長を申請できる | 受給期間は原則、離職日の翌日から1年 | ハローワーク |
| 国保の軽減と国民年金の特例免除(対象と申請の条件あり) | 「扶養に入れないと保険料は自分で納める」 | 市区町村・年金事務所 |
| 傷病手当金は病気休業中の生活を保障する制度 | 「一旦働ける状態になると再び支給されない」 | 加入していた健康保険 |
参照日:2026年9月29日。「」内は、そのデメリットを説明している本文の見出しです。
判断が分かれやすいのは、すぐ再就職できそうな人です。
受給せずに1年以内に次の就職先で雇用保険に入れば、前の会社の期間も通算されるためです。
一方で、早く再就職して再就職手当を受ける道もあります。厚生労働省は次のように案内しています。
雇用保険(基本手当)を全て受け取ってから就職するよりも収入が多くなる可能性がございます。
厚生労働省「Q&A」
ただし、再就職手当も受給にあたります。受給前の被保険者であった期間は、次の受給資格と給付日数の期間に入りません。
再就職手当の額の出し方は、再就職手当の計算例で読めます。
当たるデメリットは無料の公的窓口で先に聞く


聞く順番は、『無料の公的な窓口が先』です。
自分に当たる行の確かめ先は、「退職給付金のデメリットは給付とサポートの2種類」の一覧表で分かります。
国民生活センターも、失業保険の手続で分からない点の相談先を示しています。
住居所を管轄するハローワークへの問い合わせか、来所しての相談です。
調べたいことから公的な確認先を選ぶなら、当サイトの「制度の確認先を探す」が入口です。


民間に相談するなら料金と別費用を先に確かめる
民間の相談先の1つに、退職コンシェルジュがあります。
公式LINEで相談を受け付ける、社会保険給付金サポートのサービスです。
公式サイトのよくある質問(2026年9月29日確認)で分かる料金の事実は、次の3つです。
- 相談や問い合わせでは料金は発生せず、料金は契約時にのみ発生する
- 料金は状況に応じて変動し、トータルで受け取れる金額の10%~15%程度が目安
- 申請代行は別途社労士事務所との契約になり、別途費用がかかる
同じよくある質問には、利用するか決めていなくても相談だけでよいと書かれています。
料金の分だけ手元が減る・審査で決まる・責任は本人、の3点はこの相談先にも当てはまります。
返金の記載と解約の条件は、契約書面で確かめましょう。
公式の記載の読み方は、料金の目安と返金の記載の確かめ方にまとめています。



自分で整理するのが負担なときは、料金と別費用を承知したうえで民間の相談先を選びましょう。
退職給付金のデメリットでよくある質問
受け取るかを決める前に出やすい疑問を、9つ取り上げます。
- 退職給付金はもらわない方がいいのですか?
-
一律にそうとは言えません。デメリットの多くは、当たる人が限られます。
分かれ目は「メリットと対になるデメリットを表で比べる」にあります。
- 失業保険をもらうと次の失業で不利になりますか?
-
次の受給資格と所定給付日数を決める期間は、支給を受けた後の被保険者であった期間で数えます。
詳しくは「次の受給資格と給付日数は支給後の期間で数える」へ。
- 失業保険の受給中にアルバイトをしても大丈夫ですか?
-
働いた日は、収入の有無にかかわらず失業認定申告書で申告が要ります。申告をせずに受給すると、不正受給になります。
詳しくは「働いた日は収入がなくても申告が要る」へ。
- 傷病手当金と失業保険は同時にもらえますか?
-
同時には受けられません。病気やけがですぐに職業に就けない間は、基本手当を受けられないためです。
受給期間の延長は「働けない間は失業保険を受けられない」へ。加入していた健康保険とハローワークで確かめます。
- 給付制限の間は何も受け取れないのですか?
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給付制限の間は、基本手当を受けられません。ただ、その間に就職して一定の要件を満たせば、再就職手当を受給できます。
詳しくは「自己都合の退職は給付制限と給付日数に差が出る」へ。
- 失業保険を受けていると家族の扶養に入れませんか?
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入れない場合があります。日本年金機構の案内では、被扶養者の収入に雇用保険の失業等給付も含まれます。
詳しくは「受給中は家族の扶養に入れない場合がある」へ。
- 60代前半で失業保険を受けると年金はどうなりますか?
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65歳になるまでは、基本手当の支給を受ける間、特別支給の老齢厚生年金・退職共済年金の支給が停止されます。
詳しくは「65歳前の老齢厚生年金は受給中に止まる」と、各年金事務所で確かめられます。
- 申請サポートに頼めば失業保険は受け取れますか?
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サポートを受ければ誰でも一律にもらえるものではなく、給付は行政機関の審査で決まります。
ハローワークでは無料で相談できます。詳しくは「給付を決めるのはサポートでなく行政機関の審査」へ。
- 退職給付金に税金はかかりますか?
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受け取るお金の制度ごとに確かめます。会社の退職金は別の制度です。
厚生労働省は、失業保険(雇用保険の基本手当)の給付はすべて非課税で、確定申告は不要と案内しています。
働き方や契約、体調の悩みを相談するなら
退職給付金のデメリットを確かめる最終チェックリスト
受け取る前・間・後と申請サポートのうち、自分に当たる項目を点検します。見るのは『確かめ先に問い合わせたか』です。
受け取る前と間と後の確かめ項目
- 失業の状態と加入期間の条件を、住所を管轄するハローワークで確かめた
- 初回の振込まで約1か月と、自己都合なら給付制限の分も生活費に入れた
- 離職票の離職理由が実際と同じか見た
- 原則4週間ごとの認定日と求職活動、働いた日の申告を予定に入れた
- 65歳前に老齢厚生年金を受けるなら年金事務所、扶養に入る予定なら配偶者等の健康保険組合か勤務先に確かめた
- すぐ再就職できそうなら、次の受給の期間の数え方をハローワークで確かめた
- 療養のため退職するなら、継続1年以上の加入と退職日の扱いを加入していた健康保険で確かめた
- 申請サポートを使うなら、契約前に聞く項目を契約書面で確かめた
続けて読む関連記事
「退職給付金」という言葉と広告の確かめ方と、受け取るお金ごとの申請先は別の記事で扱っています。
1回目の入金の時期と受け取り方や、制度ごとの目的と窓口のガイドもあわせて読めます。
参考文献は、いずれも2026年9月29日に参照した公的機関のページです。
- 国民生活センター「失業保険の給付額等を増やすことができるとうたう申請サポートに注意」(2025年12月3日公表)
- 国民生活センター「報道発表資料」(令和7年12月3日・PDF)
- 東京労働局「失業等給付に関する虚偽の申告を促す事業者等にご注意ください」
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
- ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」
- ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(雇用保険について)」
- ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
- 厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」
- 厚生労働省「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」
- 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク リーフレット「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」(PDF)
- 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク リーフレット「失業給付(基本手当)の所定給付日数の基礎となる被保険者であった期間について」(PDF)
- 東京労働局・東京ハローワーク「求職者給付に関するQ&A」
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「傷病手当金」
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」
- 協会けんぽ愛媛支部「傷病手当金をご返金いただく場合があります(年金との調整について)」(令和7年3月25日)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「任意継続」
- 日本年金機構「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」
- 日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」
- 日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」








