退職給付金は一括でもらえるのか。結論から言えば、失業保険は原則4週間に1度の認定ごとに分けて支給されます。
傷病手当金も申請した期間ごとで、協会けんぽは1か月単位の申請を勧めています。
一度に支給されるのは、『条件つきのもの』です。雇用保険の一時金や、会社の退職一時金などが当たります。
なお、「退職給付金」は公的制度の名前ではありません。国民生活センターは、失業等給付の呼び名の1つに挙げています。
詳しくは「退職給付金」という言葉と広告の確かめ方をご覧ください。
失業保険:原則4週間に1度の認定ごと。認定日から通常5営業日で振込。
傷病手当金:申請した期間ごと。協会けんぽは1か月単位の申請を推奨。
一時金:一度に支給。受給期限が近いと日数分になることも。
編集部退職日が決まり、当面の生活費を見積もるとき。広告で合計の金額を見たとき。
まず、お金の入り方と時期を確かめておきましょう。
編集部は、公的な案内で受け取り方と時期を確かめました。
根拠にしたページには、それぞれリンクを付けています。
この記事で分かること
- 受け取りたいお金ごとの、受け取り方の早見表
- 失業保険の1回目の時期と、1か月あたりの目安
- 雇用保険の一時金の日数と受給期限
- 再就職手当の公式の計算例



失業保険と傷病手当金は、分けて入る前提で生活費を組みましょう。
一度に入るお金は、条件と期限を確かめてから当てにしましょう。
まずは受け取り方の早見表で、自分の行を探してください。
退職給付金は一括でもらえる?制度で受け取り方が違う
失業保険と傷病手当金は分けて支給され、一度に支給されるのは一時金や会社の退職一時金など条件つきのものです。
一括でもらえるかは、『受け取りたいお金の制度』で決まります。
すべてが分けて入るわけでも、すべてが一度に入るわけでもありません。
| 受け取りたいお金と入り方 | 支給のタイミングと受け取れる期限 |
|---|---|
| 失業保険(基本手当) 分けて:原則4週間に1度の認定ごと | 時期:認定日から通常5営業日で振込 期限:原則 離職日の翌日から1年 |
| 傷病手当金(協会けんぽ) 分けて:申請した期間ごと(1か月単位の申請が勧められる) | 時期:受付から10営業日以内 期限:支給開始日から通算1年6か月。請求は2年で時効 |
| 特例一時金 一度に:失業認定を行った日に支給 | 時期:受給手続きから3〜4週間後の認定日 期限:離職日の翌日から6か月 |
| 高年齢求職者給付金 一度に:失業認定は1回限り | 時期:受給手続きから3〜4週間後の認定日 期限:離職日の翌日から1年 |
| 再就職手当 申請1回で算定額を支給(支給残日数の60%か70%分) | 時期:申請書の受理後、審査を経て支給 期限:申請は就職した日の翌日から1か月以内 |
| 会社の退職金 退職一時金は退職時に一括、退職年金は一定期間か生涯(統計用語) | 時期:会社の制度による 期限:就業規則・退職金規程で確かめる |
| 中退共の退職金 一時金払い(一括払い)が原則 | 時期:退職時。60歳以上で条件を満たせば年4回分割も 期限:中退共の案内で確かめる |
傷病手当金が受付から10営業日以内に支払われるのは、審査の結果支払い可能な場合です。
参照日:2026年9月29日。健康保険組合に加入していた人は、加入していた組合の案内で確かめてください。給付制限を受ける場合、失業保険と一時金の支給は給付制限の経過後の認定日からです。



受け取りたいお金の行を1つ選んでください。
一度に入るか分けて入るか、いつまでに動けばよいかが、その行で分かります。
「退職給付金」と呼ばれるお金を制度名で確かめる
早見表の『上5行は雇用保険と健康保険の給付』で、下2行は勤務先の退職金の制度です。
自分の行は、今の状況から選べます。
- 仕事を探す人:失業保険(基本手当)
- 65歳以上で退職した人:高年齢求職者給付金
- 季節的に雇用されていた人:特例一時金
- 病気やけがで会社を休んだ人:傷病手当金
- 早く安定した職業に就いた人:再就職手当
ただし、自分が当たるかどうかは支給する窓口で確かめられます。
窓口で聞くことは「入り方と1回目の時期は支給する窓口で確かめる」にまとめました。
それぞれが何のためのお金かは、制度ごとの目的と窓口のガイドで確かめられます。
会社の退職金は一時金か年金かを規程で確かめる


会社の退職金を一度に受け取るか年金で受け取るかは、『勤務先の制度』で決まります。
厚生労働省の統計調査は、2つの制度を次のように定義しています。
- 退職一時金制度:「退職時に一括して一時金(退職給付手当、退職慰労金、退職功労報奨金等)を支給する制度をいう。」
- 退職年金制度:「労働者の退職後、一定期間又は生涯にわたって一定の金額を年金として支給する制度をいう。ただし、年金を一時金として受け取ることができる場合を含む。」
いずれも、統計調査で使う用語の定義です。
令和5年就労条件総合調査による、退職給付制度がある企業の形態別の割合です。
| 制度の形態 | 企業割合 |
|---|---|
| 「退職一時金制度のみ」 | 69.0% |
| 「退職年金制度のみ」 | 9.6% |
| 「両制度併用」 | 21.4% |
令和5年1月1日現在、常用労働者30人以上を雇用する民営企業の企業割合です。
これは会社の数の割合で、あなた個人の受け取り方を示す数字ではありません。自分の受け取り方は、就業規則や退職金規程で確かめましょう。
中退共に加入している会社なら、中退共のQ&Aに受け取り方の決まりがあります。
中退共は「退職金の支払方法は、退職時に「一時金払い(一括払い)」で支払います。」としています。
退職日に60歳以上で条件を満たせば、「全額分割払い」「一部分割払い(併用払い)」も選べます。
| 分割を選ぶとき | 中退共の条件と支払い |
|---|---|
| 全額分割払い(5年) | 退職金額80万円以上 |
| 全額分割払い(10年) | 退職金額150万円以上 |
| 一部分割払い(併用払い) | 金額の条件あり |
| 分割の支払い | 年4回(2月・5月・8月・11月) |
なお、在職中に中退共制度を解約したときの解約手当金は、分割で受け取れません。



会社の退職金は、勤務先の規程や中退共の決まりで受け取り方が変わります。
一時金か年金か、分割を選べるかを先に確かめておきましょう。
ここからは、分けて入る失業保険と傷病手当金の入り方を見ていきます。
失業保険と傷病手当金は一括でなく分けて支給される


失業保険は『原則4週間に1度』の失業の認定ごと、傷病手当金は申請した期間ごとに分けて支給されます。
入る時期は、認定日や申請の単位で決まります。



失業保険は、認定のたびに分けて入るお金です。
まとめて入る前提ではなく、認定ごとに入る前提で当面の生活費を組みましょう。
失業保険は原則4週間に1度の認定ごとに振り込まれる


ハローワークの手続きの案内には、認定と振込が次のように書かれています。
- 「原則として、4週間に1度、失業の認定(失業状態にあることの確認)を行います。」
- 「失業の認定を行った日から通常5営業日で、指定した金融機関の預金口座に基本手当が振り込まれます。」
ただし、休祝日や年末年始(12月29日~1月3日)を含む場合は、遅れる場合があります。
再就職が決まるまでは、所定給付日数を限度に「失業の認定」と「受給」を繰り返します。
認定日には、住居所を管轄するハローワークに来所して認定を受けます。
1回目は待期7日と給付制限のあとの認定日から
受給手続きのあとには、まず7日間の待期期間があります。
正当な理由のない自己都合による離職などで、給付制限を受ける人もいます。
その場合は「給付制限期間が経過した後の認定日から支給となります。」と厚生労働省のQ&Aは案内しています。
給付制限の期間は、退職日などで次のように分かれます。
| 退職の状況 | 給付制限 |
|---|---|
| 退職日が令和7年4月1日以降 | 原則1か月 |
| 退職日が令和7年3月31日以前 | 原則2か月 |
| 退職前5年間に2回以上、正当な理由なく自己都合退職し受給資格決定を受けた | 3か月 |
| 自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇(重責解雇) | 3か月 |
退職日が令和7年4月1日以降の自己都合退職で、給付制限を受ける場合です。1回目は、待期7日と原則1か月の給付制限のあとの認定日からです。
自己都合の退職かどうかで、1回目の時期が変わります。
正当な理由に当たるかは、住所を管轄するハローワークで確かめましょう。
分けて入る1か月分の額を目安表で見積もる
厚生労働省のQ&Aは、支給額の月額の目安を示しています。
もとにするのは、保険料などが引かれる前の給与の総支給額です。賞与は含みません。
| 給与の総支給額(平均月額) | 支給額の月額の目安 |
|---|---|
| 15万円程度 | 11.2万円程度 |
| 20万円程度 | 13.9万円程度(離職時の年齢が60歳以上65歳未満の方は13.5万円程度) |
| 30万円程度 | 17.3万円程度(離職時の年齢が60歳以上65歳未満の方は14.6万円程度) |
表の額は、おおむねの目安です。
およその計算式は、(離職前6か月の給与の総支給額の合計÷180)×給付率と示されています。
給付率は、離職時の年齢と賃金で45%〜80%になります。自分の額と条件は、住所を管轄するハローワークで確かめましょう。
入金までの生活費と退職後の支出は、退職準備チェックリストで整理できます。
原則1年の受給期間を過ぎると残りは支給されない
失業保険を受けられる期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。
厚生労働省のQ&Aは「このため、この期限を過ぎると、所定給付日数分を受給し終わっていなくても、その日以後、支給を受けることはできませんので、お早めに手続きをしてください。」と案内しています。
受給期間は、所定給付日数が330日の人は1年と30日、360日の人は1年と60日です。
病気・けが・妊娠・出産・育児などで引き続き30日以上働けないときは、延長できます。
延長できるのは働けなくなった日数分で、最長で3年間です。
協会けんぽは傷病手当金の1か月単位の申請を勧める


協会けんぽは「1か月単位で給与の締切日ごとに申請されることをお勧めします。」と案内しています。
給与の支払いの有無について、事業主の証明が必要になるためです。
| 項目 | 協会けんぽの案内 |
|---|---|
| 申請の単位 | 1か月単位で給与の締切日ごと |
| 支払い | 審査の結果支払い可能なら受付から10営業日以内 |
| 支給期間 | 同一の傷病で支給開始日から通算1年6か月 |
| 請求の時効 | 労務不能であった日ごとにその翌日から2年 |
退職後も、次の2つを満たせば残りの期間について引き続き支給を受けられます。
- 資格喪失日の前日(退職日など)までに、被保険者期間が継続して1年以上ある(任意継続被保険者などの期間は除く)
- 資格喪失日の前日に、傷病手当金を受けているか、受けられる状態である
ただし協会けんぽによると、いったん仕事に就ける状態になると、その後また働けなくなっても傷病手当金は支給されません。
健康保険組合の加入者は、組合ごとの案内が確認先です。
申請先は、受け取るお金ごとの申請先にまとめています。



傷病手当金も、申請した期間ごとに審査を経て支払われます。
分けて入る前提で、次の申請の時期も見ておきましょう。
一方、一度に支給されるのは、対象が限られる雇用保険の一時金です。
特例一時金と高年齢求職者給付金は一度に支給される
特例一時金と高年齢求職者給付金は、『失業の認定の日に支給が決まる一時金』で、期限が迫ると日数分に減ることがあります。
2つの一時金は、一般の被保険者の基本手当とは対象が違います。当たるかは住所を管轄するハローワークで確かめられます。
ハローワークの案内をもとにした、対象と日数、受給期限の一覧です。
| 一時金と対象 | 支給額(基本手当日額の日数分)と受給期限 |
|---|---|
| 特例一時金 短期雇用特例被保険者だった人(季節的に雇用される人のうち一定の人) | 40日分に相当する額(当分の間の暫定措置) 期限:離職日の翌日から6か月 |
| 高年齢求職者給付金 65歳以上の高年齢被保険者だった人 | 被保険者であった期間1年未満30日分・1年以上50日分 期限:離職日の翌日から1年 |
出典:厚生労働省リーフレット(特例一時金・高年齢求職者給付金)・2026年9月29日参照



一時金は一度に支給されます。ただ、手続きが遅れると受け取れる日数が減ることもあります。離職したら早めに求職の申込みをしましょう。
特例一時金は基本手当日額の40日分に相当する額
特例一時金は、短期雇用特例被保険者だった人が失業したときの手当です。
対象は、季節的に雇用される被保険者の一部です。
厚生労働省のQ&Aでは、次のどちらにも当たらない人とされています。
- 4か月以内の期限を定めて雇用される人
- 1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の人
受け取る要件は、特例一時金のリーフレットに2つあります。
- 離職の日以前1年間に、11日以上働いた月が通算して6か月以上あること
- 失業の状態にあること
※賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上の月を、1か月とする場合もあります。
額について、ハローワークは次のように案内しています。
「特例一時金の額は特例受給資格者を一般被保険者とみなして計算した基本手当の日額の30日分とされています(ただし、当分の間は暫定措置で40日分となります)。」
つまり『40日分は当分の間の暫定措置』で、定めは30日分とされています。
一時金の形は、就職と離職を一定の期間ごとに繰り返す人の生活実態に即しているとされます。


高年齢求職者給付金は加入期間で30日分か50日分


65歳以上で退職した人は、失業保険ではなく高年齢求職者給付金の名前で確かめます。
対象は65歳以上の被保険者です。短期雇用特例被保険者や日雇労働被保険者になる人は除かれます。
給付は一般の被保険者と異なり、『基本手当日額の30日分か50日分』に相当する額です。
被保険者であった期間が1年未満なら30日分、1年以上なら50日分です。
要件は、高年齢求職者給付金のリーフレットに2つあります。
- 離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上あること
- 失業の状態にあること
ハローワークの案内には「高年齢求職者給付金は失業認定を行った日に支給決定されます。」とあります。
さらに「失業認定は一般の受給資格者の場合とは異なり1回限りです。」とされています。
原則4週間に1度の認定を繰り返す基本手当とは、ここが違います。


一時金は受給手続きから3〜4週間後の認定日に支給
一時金も、受給手続きの当日には支給されません。厚生労働省のQ&Aの案内は次のとおりです。
「高年齢被保険者に対する求職者給付及び短期雇用特例被保険者に対する特例一時金は、受給手続きをした日から、3~4週間後の認定日に失業の認定をして支給します。」
リーフレットによると、求職の申込みから失業の状態の日が7日間たつまで支給されません。これを待期といいます。
自己都合で退職した場合は、待期のあとさらに1か月は支給されません。
令和7年3月31日以前の自己都合退職は2か月です。自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇は3か月です。
給付制限がある人の失業認定日は、その期間が過ぎると見込まれる日の後に指定されます。



一時金も手続きの日には入りません。認定日が3〜4週間後になることを見込んで、当面の生活費を組んでおきましょう。
給付制限の期間の一覧は、「1回目は待期7日と給付制限のあとの認定日から」の表にあります。
受給期限までの日数が足りないと日数分だけ支給


ハローワークの案内では、特例一時金の額は受給期限日までの日数で変わることがあります。
失業認定の日から受給期限日までが40日(当分の間の暫定措置)未満なら、その日数分の額です。
特例一時金のリーフレットには「求職申し込みの手続きが遅れた場合、40日分の支給を受けることができなくなることがあります。」とあります。
リーフレットの図の例は次のとおりです。
| リーフレットの図の例 | 支給される分 | 支給されない分 |
|---|---|---|
| 特例一時金(受給期限6か月の例) | 15日分 | 受給期限を過ぎた分(25日分) |
| 高年齢求職者給付金(受給期限1年の例) | 15日分 | 受給期限を過ぎた分(35日分) |
高年齢求職者給付金も、手続きが遅れると30日分・50日分を受けられなくなることがあります。
受給期限より前に、『住所を管轄するハローワークで自分で求職の申込み』をしましょう。
管轄の調べ方は受け取るお金ごとの窓口の探し方で紹介しています。
季節の仕事のあと、次の仕事がすぐ決まりそうな人は、特例一時金のリーフレットp.2の注意も見ておきましょう。
「※ 雇用保険の受給資格は最終の離職票により決定するため、特例一時金の手続き前に就労し、就労先において一般被保険者となった場合、特例一時金の受給はできなくなります。」
一方、一般の失業保険を受ける人が早く再就職したときは、再就職手当という別の給付があります。
再就職手当は支給残日数の60%か70%分を支給
早く再就職して要件をすべて満たすと、『支給残日数の60%か70%』に基本手当日額を掛けた額が支給されます。
支給されるのは失業保険の残りの全額ではなく、支給残日数に給付率を掛けた日数分の額です。
再就職手当は、より早い再就職を促すための制度です。
厚生労働省のリーフレットでは、受給資格の決定後に早期に安定した職業に就いた場合などが対象です。
ハローワークの案内の計算式:所定給付日数の支給残日数×給付率×基本手当日額(一定の上限あり)
支給残日数で給付率が70%か60%に分かれる


給付率は、就職したときの支給残日数で決まります。
支給残日数は、就職日の前日までの失業の認定を受けた後の残りの日数です。
- 所定給付日数の3分の2以上を残して就職:支給残日数の70%
- 所定給付日数の3分の1以上を残して就職:支給残日数の60%
この割合の日数に基本手当日額を掛け、1円未満の端数は切り捨てます。
再就職手当の計算に使う基本手当日額には、上限額があります。
- 離職時の年齢が60歳未満:6,745円
- 離職時の年齢が60歳以上65歳未満:5,454円
※再就職手当のご案内にある令和9年7月31日までの額(2026年9月29日参照)
ハローワークの案内では、この上限額は毎年8月1日以降に変更されることがあります。
この上限は、基本手当日額そのものの上限とは別の値です。
なお、延長給付の支給残日数は、再就職手当の支給残日数としては扱われません。
基本手当日額4,000円の公式の計算例は3通り
再就職手当のご案内には、基本手当日額4,000円の計算例が3つあります。
| 例(前提) | 計算式 | 再就職手当の額 |
|---|---|---|
| 所定給付日数90日の方が給付制限期間中に就職 | 4,000円×90日×70% | 252,000円 |
| 所定給付日数270日の方が受給資格決定日以後50日目に就職 | 4,000円×228日×70% | 638,400円 |
| 所定給付日数270日の方が受給資格決定日以後100日目に就職 | 4,000円×178日×60% | 427,200円 |
出典:再就職手当のご案内 p.4・2026年9月29日参照。基本手当日額4,000円はリーフレットの例の値です。
同じ所定給付日数270日でも、『就職した時期で給付率と額が変わります』。50日目の就職は70%、100日目は60%です。
厚生労働省のQ&Aは、早い再就職と、基本手当を受け取り終えてからの就職を比べています。
給料と再就職手当を合わせると「収入が多くなる可能性がございます」という説明です。
あくまで『可能性』で、早く就職すれば得になると言い切れるものではありません。



残りの失業保険の全額が入るのではなく、支給残日数の60%か70%分です。要件は住所を管轄するハローワークで確かめましょう。
再就職手当は申請の受理後に審査を経て支給


申請書を出しても、再就職手当はすぐには支給されません。
ハローワークは申請書を受理した後に審査を行い、支給の可否を判断します。
このため「支給までには一定程度お時間を要します」と厚生労働省のQ&Aは説明しています。
支給の要件は①〜⑧の8つで、すべて満たす必要があります。主な4つは次のとおりです。
- ①受給手続き後、7日間の待期期間満了後に就職、または事業を開始したこと
- ②就職日の前日までの失業の認定を受けた上で、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
- ⑤1年を超えて勤務することが確実であること
- ⑧受給資格決定(求職申込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと
ほかの要件は、再就職手当のご案内に載っています。
支給申請書は、就職した日の翌日から1か月以内に出します。出し方と申請先は申請先と行くか送るかの早見表で確かめられます。
基本手当の受給要件を満たしていても、受給手続をしていなければ、再就職手当を含む各手当は受給できません(厚生労働省のQ&A)。
再就職の後には、就業促進定着手当という給付もあります。対象は次の両方に当たる人です。
- 再就職手当を受け、再就職先に6か月以上雇用されている
- 再就職先での6か月の賃金の1日分の額が、離職前の賃金日額より低い
再就職手当の後に辞めた場合は、よくある質問の「再就職手当のあとに辞めたら残りの失業保険は?」を見てください。
それでも自分のお金の入り方が分からないときは、支給する窓口で確かめられます。
退職給付金を一括でもらえるか迷ったときの相談先
入り方と1回目の時期は支給する窓口で確かめ、民間の相談先は料金を払う時点と並べて選びます。
受け取り方と時期は、制度ごとに決まっています。
公的な給付を支給するのは、雇用保険と、加入していた健康保険です。
会社の退職金は、勤務先の規程か中退共の制度で決まります。
聞く順番は、支給する窓口が先です。民間の相談先は、その次の選択肢になります。
入り方と1回目の時期は支給する窓口で確かめる
聞く先は、受け取りたいお金で変わります。窓口ごとに、聞くことを並べました。
- 失業保険・一時金・再就職手当は住所を管轄するハローワーク(認定日と1回目の時期・受給期間や受給期限・再就職手当の要件)
- 傷病手当金は加入していた健康保険の協会けんぽか健康保険組合(申請の単位と支払いの時期)
- 会社の退職金は勤務先の就業規則・退職金規程か中退共(一時金か年金か・分割を選べるか)
国民生活センターは、ハローワークでは申請手続について無料で相談や案内を受けられると説明しています。
一度に入るか分けて入るかは制度で決まります。『自分の場合の1回目の時期は、支給する窓口で聞けます』。
住所を管轄するハローワークの探し方は、受け取るお金ごとの申請先にまとめています。
調べたいことから公的な確認先を選ぶなら、当サイトの「制度の確認先を探す」が入口です。


民間の相談先は料金と給付の時期を並べて確かめる
民間の相談先を使うなら、料金を払う時点と給付が入る時期を並べてから選びます。
民間の相談先には、退職コンシェルジュもあります。
公式LINEで相談を受け付ける、社会保険給付金サポートのサービスです。
料金の目安や返金は、料金の目安と返金の記載の確かめ方にまとめました。
料金の支払い方法(一括か分割か)は、面談と契約書面で確かめましょう。
使うかどうかは、あなたが決められます。
お金が動く時点を並べると、次のとおりです。
| お金 | 動く時点 |
|---|---|
| 退職コンシェルジュの料金 | 相談や問い合わせでは発生せず、契約時にのみ発生 |
| サポートの開始 | 契約書を交わし、サービス料金を支払ったあと |
| 失業保険の1回目 | 待期7日のあとの認定日から(給付制限を受ける場合はその経過後) |
| 失業保険の2回目以降 | 原則4週間に1度の認定ごと。認定日から通常5営業日で振込 |
| 傷病手当金(協会けんぽ) | 審査の結果支払い可能なら受付から10営業日以内。1か月単位の申請が勧められる |
※上の2行は、退職コンシェルジュ公式サイトのよくある質問とサポートの案内(2026年9月29日確認)によります。下の3行は、厚生労働省・ハローワーク・協会けんぽの案内(2026年9月29日参照)によります。
給付は、受け取りたいお金の制度ごとに決まった時期に入ります。
失業保険の認定は原則4週間に1度で、28日ごとの間隔です。
料金を払う時点と並べ、『手元のお金が足りるか』を確かめてから決めましょう。
申請サポートの料金の比べ方は、別の記事で扱います。



入り方と時期は、支給する窓口で確かめられます。
民間の相談先を使うかは、料金を払う時点を確かめてから決めましょう。
退職給付金を一括でもらえるかのよくある質問と回答
受け取り方と時期について、出やすい疑問を5つ取り上げます。
どの回答も、最初の1文が結論です。
- 失業保険を一括で受け取ることはできますか?
-
失業保険(基本手当)は、原則として4週間に1度の失業の認定ごとに振り込まれます。
一度に支給される一時金には、対象が限られる特例一時金と高年齢求職者給付金があります。
早く再就職したときの再就職手当は、残りの全額ではありません。支給残日数の60%か70%に基本手当日額を掛けた額です。
制度ごとの入り方は、3つの見出しに分けて載せています。
- 分けて入るお金:「失業保険と傷病手当金は一括でなく分けて支給される」
- 一度に入る一時金:「特例一時金と高年齢求職者給付金は一度に支給される」
- 再就職手当の額:「再就職手当は支給残日数の60%か70%分を支給」
- 退職給付金は申請から何日で振り込まれますか?
-
振り込みまでの日数は、受け取りたいお金の制度ごとに違います。
- 失業保険:認定日から通常5営業日(休祝日や年末年始を含むと遅れる場合あり)。1回目は待期7日のあとの認定日から(給付制限を受ける場合はその経過後)
- 傷病手当金(協会けんぽ):審査の結果支払い可能なら、受付から10営業日以内
- 特例一時金・高年齢求職者給付金:受給手続きをした日から3〜4週間後の認定日に、失業の認定をして支給
- 再就職手当:申請書の受理後に審査があり、支給までに一定程度の時間がかかる
給付制限を受ける場合、一時金の失業認定日は、その期間が過ぎると見込まれる日の後に指定されます。
時期と期限の全体は「退職給付金は一括でもらえる?制度で受け取り方が違う」の早見表に並べています。
- 65歳以上で退職すると失業保険は一時金ですか?
-
65歳以上の高年齢被保険者が失業した場合、支給されるのは高年齢求職者給付金です。
一般の被保険者と異なり、被保険者であった期間で額が決まります。基本手当日額の30日分か50日分に相当する額とされています。
要件があり、受給期限は離職日の翌日から1年です。要件は「高年齢求職者給付金は加入期間で30日分か50日分」に載っています。
- 再就職手当のあとに辞めたら残りの失業保険は?
-
再就職手当分を除く残日数分を、受給できる可能性があります。再就職手当の支給後に離職し、失業状態となった場合です。
厚生労働省の再就職手当のご案内は、まずハローワークに相談するよう勧めています。
厚生労働省のQ&Aも、基本手当を受給できると説明しています。条件は、支給残日数があり、受給期間満了日前に再び失業の状態となることです。
額の出し方は「再就職手当は支給残日数の60%か70%分を支給」で扱っています。
- 広告に出ている合計額は一度に振り込まれますか?
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公的な給付は制度ごとに入り方が決まっていて、失業保険は認定ごとに分けて振り込まれます。
国民生活センターは、給付は行政機関の審査で決まると説明しています。保証されているものではないとして、注意を呼びかけています。
入り方の詳細は「失業保険は原則4週間に1度の認定ごとに振り込まれる」が参考になります。
広告の見方は「退職給付金」という言葉と広告の確かめ方にまとめています。広告の合計額の内訳は、別の記事で取り上げます。
入金を待つあいだの家計と次の仕事のこと
退職給付金を一括でもらえるか確かめる最終チェック
受け取りたいお金の入り方と1回目の時期、受給期限と申請期限を確かめてから当面の生活費を組みます。
読み終えたら、次の5つを確かめたか点検してみてください。
- 受け取りたいお金を制度名に置き換え、一度に入るか分けて入るかを早見表で確かめた(「退職給付金は一括でもらえる?制度で受け取り方が違う」)
- 分けて入るなら、1回目の時期と1か月あたりの目安で当面の生活費を組んだ(「1回目は待期7日と給付制限のあとの認定日から」「分けて入る1か月分の額を目安表で見積もる」)
- 一時金に当たりそうなら、受給期限より前に住所を管轄するハローワークで求職の申込みをする日を決めた(「受給期限までの日数が足りないと日数分だけ支給」)
- 早く再就職しそうなら、再就職手当の要件と、就職した日の翌日から1か月以内の申請期限を確かめた(「再就職手当は申請の受理後に審査を経て支給」)
- 会社の退職金は、一時金か年金か、分割を選べるかを就業規則・退職金規程・中退共の案内で確かめた(「会社の退職金は一時金か年金かを規程で確かめる」)
5つに印が付けば、『自分のお金の入り方と時期に合わせて生活費を組めます』。
印が付かない項目は、かっこ内の見出しに戻って読み直せます。
自分が当たるか迷うときは、支給する窓口にそのまま聞けます。
申請先は受け取るお金ごとの申請先、制度ごとの目的は制度ごとの目的と窓口のガイドで扱っています。
広告で合計額を見たときは、「退職給付金」という言葉と広告の確かめ方も参考になります。
下の参考文献は、2026年9月29日に参照した公的機関と一次資料のページです。
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
- ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」
- ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(雇用保険について)」
- ハローワークインターネットサービス「就職促進給付」
- 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「雇用保険受給資格者のみなさまへ(再就職手当のご案内)」(PDF)
- 厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」
- 厚生労働省・ハローワーク「離職されたみなさまへ<特例一時金のご案内>」(PDF)
- 厚生労働省・ハローワーク「離職されたみなさまへ<高年齢求職者給付金のご案内>」(PDF)
- 協会けんぽ「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「傷病手当金」
- 協会けんぽ「健康保険傷病手当金支給申請書」
- 厚生労働省「令和5年就労条件総合調査の概況」(PDF)
- 中小企業退職金共済事業本部(中退共)「退職金は分割して受け取れますか?」
- 国民生活センター「失業保険の給付額等を増やすことができるとうたう申請サポートに注意」(2025年12月3日公表)
- 国民生活センター「報道発表資料」(令和7年12月3日・PDF)








