派遣社員でも「退職給付金」と呼ばれるお金はもらえる場合があります。
退職金・失業保険・傷病手当金は、どれも条件しだいです。
3つとも、確かめる相手は『雇い主の派遣会社(派遣元)』です。
- 退職金:派遣元の待遇決定方式と方法で決まります。前払いと中退共等は一般基本給・賞与等の5%が基準です(令和8年度・令和9年度適用の通達)。
- 失業保険:派遣元の雇用保険に入っていれば対象です。登録型の契約満了は、満了日までの希望で要件が分かれます。
- 傷病手当金:退職後は、継続して1年以上の加入などが要件です。登録型には、契約の合間も健康保険の資格が続く扱いがあります(同じ派遣元で次の契約が最大1月以内に確実に見込まれるとき)。
なお、「退職給付金」は公的制度の名称ではありません。
詳しくは「退職給付金」という言葉の意味と広告の確かめ方をご覧ください。
編集部契約満了日が近いのに、次の派遣の話が無いとき。退職金が毎月の給料に含まれているのか、分からないとき。
まずは早見表で、自分に関係するお金の行を選びましょう。
この記事で分かること
- 3つのお金の条件と確かめ先を並べた早見表
- 退職金の3つの方法と、派遣元で確かめる4つの手順
- 契約満了の離職理由と離職票の見方
- 傷病手当金と、契約の合間の健康保険の資格



当たるかは、派遣元・ハローワーク・加入先で確かめられます。
派遣社員でも退職給付金はもらえる?3つのお金で条件が違う
派遣社員でも3つのお金は、条件に当たれば受け取れる場合があります。どれも雇い主の派遣元への確認から始まります。
確かめ方は「4つの手順」、点検は「最終チェックリスト」へ。
「派遣だから何ももらえない」と一括りにはできません。お金ごとに、条件と確かめる先が違います。
| お金 | 派遣でも対象になる条件 | 派遣ならではの確かめどころ |
|---|---|---|
| 派遣元の退職金 | 派遣元が待遇決定方式に沿って確保する待遇 | 退職金制度・前払い・中退共等のどれか。雇入れ時の明示と派遣元で見る |
| 失業保険(雇用保険の基本手当) | 派遣元で加入し、原則は離職前2年間に被保険者期間12か月以上 | 契約満了なら、満了日までに次の派遣を希望したか。離職票とハローワークで見る |
| 傷病手当金(健康保険) | 退職後も受けるには、継続して1年以上の加入など | 次の契約までの合間に資格が続いたか。派遣元で入った健康保険で見る |
表は公的機関の案内の要約です。当たるかは派遣元・住所を管轄するハローワーク・加入先の健康保険で確かめられます。参照日:2026年9月30日。
選んだ行ごとに、読む見出しは次のとおりです。
- 在職中に退職金が気になる人:「派遣社員の退職給付金のうち退職金は派遣元の方式で決まる」
- 契約満了や退職を控える人:「派遣社員も派遣元の雇用保険に入っていれば失業保険の対象」「契約満了で辞める派遣社員の退職給付金は離職理由で変わる」
- 病気やけがで辞める・休む人:「派遣社員の退職給付金のうち傷病手当金は継続1年が分かれ目」
退職金だけは派遣元が決める待遇
表の3つは、決める主体と支給する側が違います。
- 派遣元の退職金:派遣元が、待遇決定方式(派遣先均等・均衡方式か労使協定方式)に沿って確保する待遇の1つ
- 失業保険:雇用保険の給付。離職理由は、住所を管轄するハローワークが決める
- 傷病手当金:健康保険の給付。加入先の健康保険(協会けんぽか健康保険組合)に申請する
つまり『退職金は派遣元の制度、ほかの2つは保険の給付』です。
雇用保険も健康保険も加入先は派遣元


東京労働局の案内は、保険への加入を次のように説明しています。
派遣元事業主は、派遣労働者の健康保険、厚生年金保険、雇用保険への適正な加入が義務づけられています。
また、加入の手続きがされていない場合は、その理由を明示することになっています。
日本年金機構も、厚生年金保険の加入先を派遣元の会社としています。対象は、加入条件を満たしている派遣社員です。



雇用保険も健康保険も、加入先は派遣元です。
だから、3つのお金を確かめる相手は派遣先ではなく派遣元です。
派遣元に確かめる項目は、退職準備チェックリストでも整理できます。
派遣社員の退職給付金のうち退職金は派遣元の方式で決まる


派遣の退職金は、派遣元の待遇決定方式で決まります。労使協定方式なら、退職金制度・前払い・中退共等から選ばれます。
令和7年度の集計では、退職金前払いの方法/合算が事業所の55.4%です。
厚生労働省の案内の説明は次のとおりです。
派遣労働者の待遇について、派遣元事業主には、派遣先均等・均衡方式(派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇)または労使協定方式(一定の要件を満たす労使協定による待遇)のいずれかを確保することが義務づけられています。
派遣労働者の同一労働同一賃金に向けた改正労働者派遣法は、2020年4月1日に施行されました。
厚生労働省の集計資料(令和7年度・無作為抽出・n=302)では、事業所の割合は次のとおりです。
| 待遇決定方式 | 事業所の割合 |
|---|---|
| 労使協定方式 | 87.4% |
| 派遣先均等・均衡方式 | 9.9% |
| 両方式の併用 | 2.6% |
労使協定方式では、退職金を3つの方法から労使で選びます。
| 額の基準 | 受け取り方と条件 |
|---|---|
| 退職金制度 | |
| 派遣元の規程で明確にされた決定・計算の方法による | 支払の時期と方法(一時金か年金か等)も規程で決まる |
| 確かめる書類:雇入れ時の明示、労使協定、派遣元の規程 | |
| 前払い | |
| 一般基本給・賞与等の5%と同額以上 | 退職金の費用を毎月の賃金等で前払い。額は労使協定で見る |
| 確かめる書類:労使協定、雇入れ時の明示 | |
| 中退共等に加入 | |
| 一般基本給・賞与等の5%の額以上の掛金 | 加入した制度の決まりによる。中退共は加入1年未満だと支給されない |
| 確かめる書類:労使協定、雇入れ時の明示。加入の有無は派遣元に聞く | |
5%は令和8年度・令和9年度適用の厚生労働省の通達の値です。前払いと中退共等は1人に併用もできます。最新の通達は厚生労働省のページにあります。参照日:2026年9月30日。



どの方法かで、退職時にまとまったお金が出るかが変わります。
まず、自分の派遣元がどの方法かを確かめましょう。
退職金制度の方法は派遣元の規程で支払時期が決まる
厚生労働省の通達は、協定の対象になる派遣労働者の退職手当制度に条件を付けています。
- 対象の派遣労働者の全員に適用されること
- 「退職手当の決定、計算及び支払の方法」が明確なこと
- 「退職手当の支払の時期」が明確なこと
「方法」には、勤続年数や退職事由などの要素と算定方法、一時金か年金かも入ります。
つまり『いくら・いつ・勤続何年からかは派遣元の規程』で決まります。規程と労使協定を派遣元で確かめましょう。
受け取り方の見方は、会社の退職金を一時金で受け取るか年金で受け取るかで扱っています。
前払いの方法は退職金の費用を毎月の賃金等で払う
厚生労働省の集計資料は、この方法を「退職金の費用を毎月の賃金等で前払いする方法」と説明しています。
通達では、この方法で払う「退職金相当の手当等に相当する賃金」は一般退職金と同額以上が条件です。
一般退職金は、『一般基本給・賞与等に5%を掛けた額』です(通達)。
一般基本給・賞与等は、同種の業務などで働く無期雇用・フルタイムの労働者の基本給・賞与・手当等です。
5%は、令和3年就労条件総合調査の「退職給付等の費用」が「現金給与額」に占める割合です。
令和8年度適用(令和8年4月1日〜令和9年3月31日)に続き、令和9年度適用の通達も5%です。
| 退職金の方法(令和7年度の集計) | 事業所の割合 |
|---|---|
| 退職金前払いの方法/合算 | 55.4% |
| 退職金制度の方法 | 29.4% |
| 中小企業退職金共済制度等への加入の方法 | 6.3% |
| その他(前払いと中退共等の併用など) | 8.9% |
令和7年6月1日の時点で有効な労使協定書の集計です(n=269)。対象は、約4.4万事業所から無作為抽出した400事業所です。事業所の割合で、派遣労働者の人数の割合ではありません。
前払いの方法なら、退職時にまとまった退職金が出るとは限りません。賃金に含まれる額と「退職手当の有無」を、労使協定と雇入れ時の明示で確かめましょう。
中退共に入る方法は加入1年未満だと支給されない
通達では、一般退職金(5%)の額以上の掛金で加入すれば、退職金は同等以上とみなされます。
加入先は、中小企業退職金共済制度(中退共)・確定給付企業年金・確定拠出年金等です。
中退共の案内は「加入して1年未満で従業員が退職した場合、退職金は支給されません。」としています。
ただし、通算制度や他制度からの引継ぎを行っている場合は別です。11月以下でも支給される場合があります。
自分の方法は、「派遣社員の退職金は雇入れ時の明示から4つの手順で確かめる」の順で確かめます。
派遣社員の退職金は雇入れ時の明示から4つの手順で確かめる
まず、雇入れ時に明示される「退職手当の有無」を見ます。そのうえで方式と方法を派遣元に確かめ、迷えば労働局に相談します。
- 雇入れ時の明示を見る:退職手当の有無と、労使協定の対象かを見る(明示の項目)
- 待遇決定方式を見る:派遣元のホームページなどで確かめる(確認先の案内)
- 退職金の方法を聞く:労使協定の方法を派遣元に聞く(周知の義務)
- 労働局に相談する:説明に納得できなければ都道府県労働局へ(問い合わせ先の案内)
雇入れ時の明示で退職手当の有無を見る
厚生労働省・都道府県労働局のリーフレットでは、雇入れ時の明示はア〜カの6つです。退職金に関わるのは次の3つです。
| 明示される項目 | 明示されるとき | 退職金を確かめるときの見方 |
|---|---|---|
| イ 退職手当の有無 | 雇入れ時(派遣先均等・均衡方式は派遣時も) | 有無を見て、どの方法かを派遣元に聞く |
| エ 労使協定の対象か(対象なら有効期間の終期) | 雇入れ時と派遣時 | 対象なら、退職金は労使協定の方法で決まる |
| オ 説明を求めることができる旨 | 令和8年10月1日以降の雇入れ時と派遣時 | 待遇の相違の内容と理由等の説明を求められる |
労使協定方式の派遣時の明示はエとオだけです。だから『退職手当の有無は雇入れ時の明示』で見ます。
明示は文書の交付で行われ、希望すればファクシミリや電子メール等でも受け取れます。


派遣元のホームページで待遇決定方式を見る
リーフレットは、方式の確かめ方を次のように案内しています。
派遣元で採用している待遇決定方式は、各派遣元のホームページなどで確認できます。
ただし、次の場合は労使協定方式が適用されず、派遣先均等・均衡方式が適用されます。
- 協定を書面で締結していない
- 協定に必要な事項が定められていない
- 協定で定めた事項を遵守していない
- 過半数代表者が適切に選出されていない
労使協定の退職金の方法を派遣元に聞く
派遣元には、労使協定を労働者に周知する義務があります。雇入れ時などは、書面の交付等の方法で周知されます。
派遣元に聞ける項目の例は次の4つです。
- 退職金制度・前払い・中退共等のどの方法か
- 退職金制度なら、支払の時期と勤続の数え方
- 前払いなら、賃金のどこに含まれているか
- 中退共等なら、加入しているか
リーフレットは「派遣労働者が説明を求めたことを理由とする不利益取扱いは禁止されています」と明記しています。



退職金の方法は、明示と労使協定で確かめられる事実です。
聞きにくくても、どの方法かを派遣元に尋ねてみましょう。
説明に納得できなければ都道府県労働局へ
分からない点について、リーフレットは「まずお近くの都道府県労働局へ」と案内しています。
明示や説明などでトラブルになったときは、次の2つを求められるとしています。
- 都道府県労働局長による助言・指導・勧告
- 紛争調整委員会による調停
この制度は無料で利用することができ、調停等の内容が公にされないため、プライバシーが保護されます。
求めたことを理由に、派遣元や派遣先が不利益な取扱いをしてはならないともされています。
編集部は、待遇が適切かどうかを判断しません。
契約満了や退職のあとは、「派遣社員も派遣元の雇用保険に入っていれば失業保険の対象」へ。
派遣社員も派遣元の雇用保険に入っていれば失業保険の対象
派遣元で雇用保険に入っていれば、派遣社員も対象です。原則は離職前2年間に被保険者期間12か月が要ります。
無期雇用派遣の人も同じ要件です。
まず確かめるのは『派遣元で雇用保険に入っていたか』です。
31日以上の見込みと週20時間以上が加入の基準


厚生労働省の加入手続の案内は、適用基準を次の2つとしています。
- 「31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者であること。」
- 「1週間の所定労働時間が 20 時間以上であること。」
31日以上の見込みがあるとされるのは、次の場合です。
- 期間の定めがなく雇用される場合
- 雇用期間が31日以上である場合
- 更新規定があり、31日未満での雇止めの明示がない場合
- 更新規定はないが、同様の雇用契約の労働者が31日以上雇用された実績がある場合
受給資格は原則離職前2年間に12か月


厚生労働省のQ&Aでは、受給資格の原則は離職前2年間に被保険者期間12か月以上です。
倒産・解雇等や、有期の労働契約が更新されなかったことなどによる離職は別です。
この場合は、離職前1年間に通算6か月以上です。
| 離職の理由 | 必要な被保険者期間 |
|---|---|
| 原則(正当な理由のない自己都合など) | 離職前2年間に通算12か月以上(厚生労働省のQ&A) |
| 特定受給資格者・特定理由離職者(契約満了で要件に当たる場合など) | 離職前1年間に通算6か月以上(ハローワーク「基本手当について」) |
※1か月は、離職日から1か月ごとに区切った期間に、賃金が支払われた日数が11日以上ある月です。参照日:2026年9月30日。
Q&Aには、支給の前提もあります。
雇用保険(基本手当)の給付は、雇用の予約や就職が内定及び決定していない失業の状態にある方にのみ支給されます。
厚生労働省のQ&A
次の派遣先や転職先が決まっている人は、次の仕事が決まっている場合の扱いへ。
同じ派遣元の次の派遣が「雇用の予約」に当たるかは、ハローワークで確かめましょう。
加入しているか分からなければ確認照会


厚生労働省の加入手続の案内は、届出がされていない人の相談先を示しています。
適用基準を満たすと思うなら、「事業主または公共職業安定所(ハローワーク)」に相談します。
満たしている人は、一定期間さかのぼって加入できることもあります。
加入手続がされているかをハローワークに照会する、「確認照会」の手続きもあります。



雇用保険に入っていたか分からなければ、派遣元に聞くほか、ハローワークに確認照会ができます。
受給の手続きの流れと申請先は、受け取るお金ごとの申請先と出し方にまとめています。
派遣の契約満了で辞める場合は、離職理由で扱いが変わります。
契約満了で辞める派遣社員の退職給付金は離職理由で変わる
登録型は、満了日までに次の派遣を希望したのに指示が無ければ、特定受給資格者か特定理由離職者の要件に当たりえます。
離職理由で変わるのは、失業保険の受給資格・給付制限・所定給付日数です。
契約満了だから自己都合、と『一律には決まりません』。
対象は、派遣のたびに期間を決めて雇われる登録型の人です。
東京労働局の案内では、派遣先の同じ組織単位での派遣就業は3年までです。
派遣元に無期雇用の人や60歳以上の人は、この期間の制限がありません。
無期雇用派遣の人は、「派遣社員も派遣元の雇用保険に入っていれば失業保険の対象」の要件で確かめます。
| 契約満了のときの事情 | 当たりうる区分 | 根拠 |
|---|---|---|
| 次の派遣に派遣元と合意・共通認識があり、希望したが満了日までに指示なし | 特定受給資格者の要件 | 業務取扱要領(PDF) |
| 合意はないが、満了日までに更新を申し出たのに指示なし | 特定理由離職者の要件 | 業務取扱要領(PDF) |
| 派遣元との有期契約が更新で3年以上続き、更新されなかった | 特定受給資格者の範囲 | ハローワークの範囲の概要 |
| 上の3つと事情が違う(紹介を受けて断った、希望を伝えていない など) | ハローワークが事情を確かめて判定 | 厚生労働省のQ&A |
※当たるかは住所を管轄するハローワークが判定します。参照日:2026年9月30日。
次の派遣を希望したのに指示が無いと要件に当たりうる


厚生労働省の業務取扱要領(PDF)は、登録型の契約満了を2つに分けています。
1つ目は、次の派遣に合意や共通認識があった場合です。
「次の派遣就業が行われること」について派遣元事業主及び派遣労働者双方が合意、共通認識を持っていたのにもかかわらず
業務取扱要領
同じ派遣元での派遣就業を希望したのに満了日までに指示されなければ、特定受給資格者の要件です。
共通認識は、文書のほか口頭で双方が得ている場合も含むとされています。
2つ目は、次の派遣について合意の形成が無かった場合です。
同じ派遣元での派遣就業を希望していたのに満了日までに指示されなければ、特定理由離職者の要件です。
どちらも、希望したのに指示が無かった場合の要件です。紹介を受けて断った、希望を伝えていないなど、事情が違う場合もあります。そのときは、経緯を伝えてハローワークで確かめます。
次の派遣を希望するなら満了日までに伝える
要領は、特定理由離職者の要件の「希望していた」を次のように定めています。
「労働者本人が契約期間満了日までに契約更新を申し出た場合」です。
分かれ目は『満了日までの申し出』です。
厚生労働省のQ&Aによると、ハローワークは次のように離職理由を決めます。
本人の主張、証拠書類と事業主の主張等を確認の上、離職理由を決定することとなります
厚生労働省のQ&A
申し出も離職理由の申告も、事実のとおりに行いましょう。



次の派遣を希望するなら、満了日までに派遣元へ伝えましょう。伝えた日と相手を控えておくと、経緯を説明しやすくなります。


特定理由離職者は給付制限がなく1年間に6か月で受給資格
正当な理由のない自己都合などとの違いは、次の3つです。
| 項目 | 特定理由離職者(契約満了) | 正当な理由のない自己都合など |
|---|---|---|
| 受給資格に要る被保険者期間 | 離職前1年間に通算6か月以上 | 離職前2年間に通算12か月以上 |
| 給付制限 | 対象とならない | 退職日が令和7年4月1日以降は原則1か月 |
| 所定給付日数 | 離職日が2027年3月31日までなら特定受給資格者と同じ | 被保険者であった期間に応じた日数 |
※根拠はハローワークの基本手当と所定給付日数の案内、業務取扱要領、Q&Aの注です。
離職票の離職理由は受給手続で確かめる


ハローワークのよくあるご質問では、「離職票」は離職証明書に基づいて交付されます。
交付を希望しないと、交付されません。後日必要になって希望すれば、受け取れます。
厚生労働省のQ&Aでは、会社が離職日の翌々日から10日以内に資格喪失届を出します。
離職票は会社経由で届きます。派遣社員なら、この「会社」は雇い主の派遣元です。
離職理由が実際と違うときは、受給の手続時に住居所を管轄するハローワークの担当者へ伝えます。
神奈川のハローワークの記入例(PDF)も、「離職理由の最終的な判定はハローワークで行います」としています。
病気やけがで辞める・休む場合は、傷病手当金も確かめます。
派遣社員の退職給付金のうち傷病手当金は継続1年が分かれ目
退職後も傷病手当金を受けるには、健康保険の被保険者期間が継続して1年以上あることなどが要件です。
病気やけがで働けず、派遣を辞める・休む人のための整理です。受給のために受診や退職をすすめるものではありません。
在職中の給付の条件は、加入先の案内で確かめられます。継続給付の注意点は受け取る場合のデメリットにあります。
加入先は派遣先ではなく派遣元の健康保険
東京労働局の案内では、派遣労働者を健康保険に適正に加入させるのは派遣元の義務です。
そのため加入先は『派遣先ではなく派遣元の健康保険』です。
協会けんぽか、派遣元が加入する健康保険組合で、どちらかは派遣元に聞いて確かめられます。
加入先と申請先の調べ方は、傷病手当金の申請先の調べ方にまとめています。
次の契約が1月以内に確実なら資格が続く扱い


契約の合間の扱いは、平成14年の厚生労働省(旧社会保険庁)の通知にあります。
最大1月以内に、同一の派遣元事業主のもとでの派遣就業に係る次回の雇用契約(1月以上のものに限る。)が確実に見込まれるとき
使用関係が継続しているものとして取り扱い、被保険者資格は喪失させないこととして差し支えない
平成14年の通知
| 契約の合間 | 健康保険と厚生年金保険の資格 |
|---|---|
| 同じ派遣元で次の契約(1月以上)が最大1月以内に確実に見込まれる | 使用関係が続くとして資格を喪失させない扱い |
| 1月以内に次の契約が結ばれなかった | 結ばれないと確実になった日と1月を経過した日の早いほうで使用関係が終了 |
| 根拠:平成14年の通知 | |
※契約の終了時にさかのぼって資格を喪失させるものではない、ともされています。平成14年の通知の扱いで、雇用保険の扱いではありません。参照日:2026年9月30日。
資格を失ったあとの期限は、次のとおりです。
- 任意継続(協会けんぽ):退職日までに継続して2か月以上加入していれば、「退職日の翌日から20日以内に手続すること」
- 国民年金(日本年金機構):住所地の市区役所または町村役場へ、退職日の翌日から14日以内
起点の退職日が契約のどの日かは、加入先や市区役所・町村役場で確かめましょう。


継続1年以上かは加入先に資格の日付を確かめる


協会けんぽの傷病手当金の案内では、退職後も続けて受ける条件は次の2つです。
- 資格喪失の日の前日(退職日等)までに、被保険者期間が「継続して1年以上」あること
- 資格喪失日の前日に、現に傷病手当金を受けているか、受けられる状態であること
1年には、任意継続・共済組合の組合員・国民健康保険の期間を数えません。
「任意継続被保険者である期間中に発生した病気・ケガについては、傷病手当金は支給されません。」
1年以上続いているかは、加入先に資格を取得した日と失った日を聞いて確かめます。
健康保険組合に入っている人は、その組合の案内で確かめられます。



契約の合間や派遣元の変更があった人は、健康保険の加入が続いていたかを加入先で確かめましょう。
どこに聞けばよいか迷ったら、「派遣社員が退職給付金で迷ったときの相談先」の表が使えます。
派遣社員が退職給付金で迷ったときの相談先
迷う点は、派遣元・住所を管轄するハローワーク・都道府県労働局・加入先の健康保険で確かめられます。
聞く先を選ぶ軸は、『迷っていることがどのお金の話か』です。
まず派遣元とハローワークと加入先に聞く
| 迷っていること(詳しい見出しへ) | 確かめる先 |
|---|---|
| 退職金の方法と明示の内容 | 派遣元(説明を求められる) |
| 待遇の説明に納得できない | 都道府県労働局 |
| 雇用保険に入っていたか | ハローワーク(確認照会) |
| 契約満了の離職理由と離職票 | 住所を管轄するハローワーク |
| 傷病手当金と契約の合間の資格 | 加入先の健康保険 |
当サイトはトップページで、こう案内しています。「有料の民間サービスを利用することは、給付を受けるための条件ではありません。」
民間の相談先を考えるのは、公的な窓口で自分の条件を確かめた後です。


民間の相談先を使うなら公式の適用条件を見る
民間の相談先の1つが、退職コンシェルジュの社会保険給付金サポートです。公式LINEで相談を受け付けています。
公式のよくある質問は、社会保険給付金を次のように説明しています。
社会保険給付金とは、退職後の働いていない期間にもらえる雇用保険や健康保険の給付金の総称です。
退職コンシェルジュ公式サイト「よくある質問」(2026年9月30日確認)
この説明に、派遣元の退職金は入っていません。
退職金の確かめ方は、「派遣社員の退職金は雇入れ時の明示から4つの手順で確かめる」にあります。
同じよくある質問では、料金は相談や問い合わせでは発生せず、契約時にのみ発生します。
料金の目安と返金の記載は、民間の相談先の料金と返金の確かめ方で読めます。
公式サイトの適用条件(2026年9月30日確認)は、次の4つです。
- 「年齢が20歳~64歳」
- 「退職前の方、退職予定の方」
- 「現時点で転職先が決まっていない」
- 「社会保険に1年以上加入している」
あわせて「その他細かい条件をお聞きした上、お断りする可能性がございます」とも書かれています。
派遣で働く人に当てはめると、次の人は対象外になる場合があります。
- 次の派遣先が決まっている人
- 派遣元での社会保険の加入が1年未満の人
- 社会保険に入っていない働き方の人
当たるかどうかは、公式の相談で確かめられます。
公式の案内では、サポートは契約書を交わし、料金を支払ってから始まります。
加入期間は、保険証の資格取得年月日で確かめるよう公式が案内しています。



給付を受けるのに、民間のサービスは必須ではありません。
使うなら、転職先が決まっていないことや社会保険の加入期間など、公式の適用条件に当たるかを先に見ましょう。
派遣社員の退職給付金のよくある質問と回答
派遣社員の退職給付金について、8つの疑問に答えます。
回答の1文目が結論です。
- 派遣社員でも退職給付金はもらえますか?
-
「退職給付金」と呼ばれる3つのお金は、派遣社員でも条件に当たれば受け取れる場合があります。
退職金は派遣元の方式と方法、失業保険は雇用保険の加入と被保険者期間しだいです。
傷病手当金を退職後も受けるには、継続して1年以上の加入などが要件です。
早見表は「派遣社員でも退職給付金はもらえる?3つのお金で条件が違う」にあります。
- 勤続3年未満でも派遣の退職金はもらえますか?
-
勤続年数などの要素は派遣元の退職手当制度と労使協定で決まるため、規程で確かめます。
前払いの方法なら、退職金の費用は毎月の賃金等で払われます。
令和7年度の集計では、退職金前払いの方法/合算が事業所の55.4%です。
中退共は加入1年未満だと支給されません。
方法ごとの違いは「派遣社員の退職給付金のうち退職金は派遣元の方式で決まる」にまとめています。
- 派遣先が変わっても退職金の勤続年数は続きますか?
-
退職金は派遣元が確保する待遇なので、勤続の数え方は派遣元の規程で確かめます。
派遣元を変えても、前後がどちらも中退共に加入していれば通算の仕組みがあります。
中退共の案内では、次の3つを満たすと掛金納付月数を引き継げます。
- 旧事業所を退職した後、3年以内に新事業所で被共済者になっている
- 旧事業所で退職金を請求していない
- 旧事業所での掛金納付月数が12月以上ある
加入1年未満の扱いは「中退共に入る方法は加入1年未満だと支給されない」で読めます。
- 派遣の契約満了で辞めると自己都合になりますか?
-
一律ではありません。登録型で満了日までに次の派遣を希望したのに、派遣元から指示が無かった場合が分かれ目です。
次の派遣の合意や共通認識があれば特定受給資格者、無ければ特定理由離職者の要件に当たりえます。
判定は住所を管轄するハローワークです。
分かれ方の表は「契約満了で辞める派遣社員の退職給付金は離職理由で変わる」にあります。
- 派遣元から離職票が届かないときはどうする?
-
交付を希望したのに届かないときは、まず派遣元に処理状況を確かめます。
離職日の翌々日から10日を過ぎても届かない場合が、確かめる目安です。
それでも届かなければ、住居所を管轄するハローワークへ早めに相談します。
持参するのは、身元確認書類と退職したことがわかる書類(退職証明書等)です。
離職票の中身の見方は「離職票の離職理由は受給手続で確かめる」が詳しいです。
- 派遣で働いた期間が短くても失業保険はもらえますか?
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原則は、離職前2年間に被保険者期間12か月以上が要件です。
特定受給資格者と特定理由離職者は、離職前1年間に6か月以上です。
まず、派遣元で雇用保険に入っていたかを確かめます。基準は31日以上の雇用見込みと週20時間以上です。
1か月の数え方は「受給資格は原則離職前2年間に12か月」に載せています。
- 失業保険の受給中に単発の派遣で働いたらどうなる?
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その派遣の雇用契約期間は、通常「就職」していた期間とされます。
厚生労働省の業務取扱要領が、被保険者とならないような派遣就業について示す扱いです。
派遣就業を含む就労を失業認定申告書に記さない偽りの申告は、不正受給の典型例とされます。
働いた日は申告します。受給中の申告の全体は、受け取る場合のデメリットと受給中の申告で扱っています。
- 派遣契約が途中で解除されたら解雇になりますか?
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派遣契約が途中で解除されても、派遣元との雇用関係(労働契約)は続いています。
東京労働局の案内は「派遣契約と労働契約は別の契約です。」としています。
派遣元は中途解除を理由に安易に解雇できない、とも案内しています。
まず派遣元に、今後の就業と賃金を確かめます。
契約満了の扱いは別で、「次の派遣を希望したのに指示が無いと要件に当たりうる」にあります。
派遣の働き方や次の仕事を考えるなら
派遣社員の退職給付金を確かめる最終チェックリスト
退職金は明示と方法、失業保険は加入と離職理由、傷病手当金は加入の継続を派遣元と窓口で確かめます。点検の基準は『派遣元か窓口で確かめたか』です。
お金ごとに派遣元と窓口で確かめる項目
お金の順に6項目を並べました。当たらない項目は飛ばして構いません。
- 雇入れ時に明示された「退職手当の有無」と、労使協定の対象かを見た
- 派遣元の待遇決定方式と、退職金が退職金制度・前払い・中退共等のどの方法かを確かめた(前払いと中退共等は一般基本給・賞与等の5%が基準。令和8年度・令和9年度適用の通達)
- 派遣元で雇用保険に入っていたか(31日以上の雇用見込み・週20時間以上)と、被保険者期間(原則は離職前2年間に12か月以上・特定受給資格者と特定理由離職者は離職前1年間に6か月以上)を確かめた
- 契約満了で次の派遣を希望するなら、満了日までに派遣元へ伝え、伝えた日と相手を控えた
- 離職票を希望し、離職理由が実際と同じかを受給手続で確かめる準備をした
- 病気やけがで辞めるなら、派遣元の健康保険に継続して1年以上入っていたかと、契約の合間に資格が続いていたか(同じ派遣元での1月以上の次の契約が、最大1月以内に確実に見込まれていたか)を加入先で確かめた
当たるか迷う項目は、「派遣社員が退職給付金で迷ったときの相談先」の窓口で確かめられます。
続けて読む関連記事
派遣に限らない手続きや受け取り方は、当サイトの別の記事で扱っています。
- 次の仕事が決まっている場合の失業保険と再就職手当
- 受け取る場合のデメリットと受給中の申告
- 会社の退職金を一時金で受け取るか年金で受け取るか
- 受け取るお金ごとの申請先と出し方
- 「退職給付金」という言葉の意味と広告の確かめ方
参考文献は、いずれも2026年9月30日に参照した公的機関のページです。
参考文献の一覧を開く
- 厚生労働省「派遣労働者の同一労働同一賃金について」
- 厚生労働省 職業安定局長通達「令和8年度の「同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額」等について」(PDF)
- 厚生労働省 職業安定局長通達「令和9年度の「同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額」等について」(PDF)
- 厚生労働省「労使協定書における賃金等の記載状況(一部事業所の集計結果(令和7年度))等について」(PDF)
- 厚生労働省・都道府県労働局「派遣労働者の同一労働同一賃金のポイント」(令和8年10月1日改正対応版・PDF)
- 厚生労働省「派遣で働くときの同一労働同一賃金チェックリスト」(令和8年10月1日改正対応版・PDF)
- 厚生労働省・都道府県労働局「派遣で働く皆さまへ」(PDF)
- 東京労働局「よく聞かれるご質問集(派遣社員として働いている方へ)」
- 厚生労働省「雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!」
- 厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
- ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
- ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」
- ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(雇用保険について)」
- ハローワークインターネットサービス「不正受給の典型例」
- 厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領」雇用保険給付関係(所定給付日数・PDF)
- 厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領」雇用保険給付関係(一般被保険者の求職者給付・PDF)
- ハローワーク(神奈川)「雇用保険離職証明書(用紙右側部分)の記入例」(PDF)
- 厚生労働省 法令等データベース「派遣労働者に対する社会保険適用の取扱いについて」(平成14年4月24日の通知)
- 日本年金機構「私は派遣社員ですが、厚生年金保険に加入することになるのですか。また、派遣元と派遣先のどちらで加入するのですか。」
- 日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「傷病手当金」
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「任意継続」
- 中小企業退職金共済事業本部(中退共)よくあるご質問「加入後1年未満で退職した場合は退職金は支給されますか?また、それまで掛けた掛金は事業主に戻ってきますか?」
- 中小企業退職金共済事業本部(中退共)よくあるご質問「中退共制度に加入している企業間を転職した場合に通算ができますか?」








